文化を訳出する
【第15作(8分)】
これも芸術祭の展示映像で、
フランス語翻訳者さんが、フランス語から日本語へ
わたしが、その日本語を英語へ
翻訳し、映像では
右方:日本語字幕【縦】
下方:英語字幕【横】
で表示するものでした。
劇場でセラピーをしていて、過去の傷を癒すため、セラピストが数回、あるフランス語を言い放ちます。
念のため、French/English で Google Translate にかけた上で、英語字幕は "You are to be born." としました。be to... で「近い未来」を表わします。
英語では、人の誕生は受動態で表現します。知人に確認したところ、フランス語でも同じでした。
英語:I was born in Osaka.
仏語:Je suis né(e) à Osaka.
※(e)は、話者が女性の場合です。
キリスト教文化では「神から命を受ける・命を頂く」ため、人の誕生において、主体は神です。翻訳では、このことをどれだけ自然に、違和感なく日本語で言い表せるかがポイントになります。
日本語字幕は「生まれる」となっていました。正確なニュアンスが出ておらず、残念に思いました。
わたしは、原語文化を訳出する(翻訳に反映させる)必要があると考えます。言語は文化のひとつだからです。
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