エスカレーター式

【第11作(15分)】


この映画では「エスカレーター式教育」に触れるセリフがありました。話者は中高一貫どころか、大学までエスカレーター式で進学していたのです。


単純に "escalator education" と翻訳しても何のことやらわかりません。

そもそも、国によって教育システムが違います。例えばニュージーランドでは、日本の小・中・高に該当する教育が次のようになっています。


初等教育 (Primary Education) ⇒ 5歳 (Year 1) から12歳 (Year 8) まで

中等教育 (Secondary Education) ⇒ 13歳 (Year 9) から17歳 (Year 13) まで

初等教育の最後の2年 (Year 7 and 8) を Intermediate と区別する学校もあります。また、義務教育は6歳から16歳までです。


Secondary Education を終えたら、高等教育に進むことができます。ただし、National Certificate of Educational Achievement (NCEA) を受験して、一定レベルをクリアしている必要があるため、高等教育機関に「エスカレーター式」に運ばれることはありません。


さて、日本における「中学から大学までのエスカレーター式教育」をどう英語字幕で言い表そうか。悩んだ末、「エスカレーターという語をそのまま使う」ことにしました。


I entered a private escalator school.

It provided education through to university.


日本でしか通じないカタカナ英語をあえて使うことで、英語字幕が生きるなんて! 監督も「翻訳の醍醐味を教えていただきました」と喜んで下さいました。



映像翻訳者 mizuki

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