What's Moko?

ニュージーランドでは、たくさんの人がタトゥーをしています。顔面から手足の先まで、彼らのタトゥーは半端ありません。


彼らのタトゥーは、原住民であるマオリ族に原点があります。マオリ族は自然に対して畏敬の念を抱き、彫刻で表現します。「皮膚への彫刻」が moko です。針でなく、サメの歯、アホウドリの骨、石などを道具にするので、とても痛いです。


moko は「血統によるアイデンティティ」を表しています。入れる部分が決まっていて、男性は「顔、お尻、もも」、女性は「顔、腕、首」です。

身体のうち、頭はもっとも神聖だと考えられているため、顔面の moko は特別です。男性が顔全体に moko を入れると、"Ta moko" と呼ばれ、「部族のリーダーシップ」を意味します。女性ならあごや上唇、小鼻に入れます。


額、眉の下、目鼻の周り、こめかみ、鼻の下、頬、あご、下あごの先…… moko を入れる8つ部分によって、アイデンティティ(部族の役割、結婚の状態など)が表現されます。


デザインにも「勇気」「強さ」「繁栄」「調和」「健康」など意味があります。「植物と魚」の形がベースになっていて、主線は「心」や「命」を象徴し、そこから枝分かれした線は「父母」「兄弟」「子ども」「恋人」などを表します。


For your reference:

Maori Tattoo: The Definitive Guide to Ta Moko

Ta moko - significance of Māori tattoos

Tā moko - Māori tattooing


わたしにはマオリの友人がいました。最初「毛深いんだな、ネックレスをしているんだな」と思っていましたが、実は全身に moko が入っていたのでした。首から10本の指先まで。


月日が経ち、彼のお父さんが亡くなりました。部族長になったので、顔面を覆うように Ta moko が入っていました。正直なところ、怖いです。目も口もわかりません。でもよく見ると、すごく素敵なデザインです!


このようにマオリ文化が継承されている一方、近年はヨーロッパ人(Pakeha)との混血がほとんどなので、文化も混ざっています。神聖な伝統と無関係に、マオリ文化をまねたファッション・タトゥーが多いのです。

まれに、Ta moko を歓迎しないカフェなどがあり、社会問題となります。けれど、タトゥーがこれほど全国的に普及しているのは珍しいのではないでしょうか。


映像翻訳者 mizuki

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