世界はコンサート

米国テキサス州ヒューストン市にあるライス大学は「南のハーバード」という異名を持つほどで、全米屈指の最高学府だそうです。そこで、ある論文が発表されました。わたしの「初めに音楽ありき」を掘り下げた内容です。長いので、簡単にご紹介します。


"Music and Early Language Acquisition"


【主張点】

1.乳児にとって、周りの会話は「声を使った活動」である。その活動には目的があり、繰り返されている。

2.乳児は、話者の心の動きだけでなく「リズムと音素のパターンや一貫性(音楽的特徴)」に耳を傾けている。

3.乳児は、直感、創造性、本能によって「音の高低、メロディ、リズム(音楽的特徴)」を感知している。

4.乳児は成長しながら、言語ルールに従って「音」を整理整頓し、組み合わせ、単語として「意味」を伴わせるようになる。

5.乳児にとって、言語と音楽との関連は深く、2つは呼応しながら同時習得されていく。

6.したがって、乳児にとって会話は音楽の一種である。まだ言語を知らない彼らにとって「世界はコンサート」なのだ。


【音楽と会話の共通点】

・音楽と会話は共に「音を使った創造的な活動」である。

・音楽と会話を支えているのは、人間の創造性、聴覚能力、コミュニケーションを取りたいという気持ちである。

・誕生の当日、母親が子守歌を歌う。新生児が歌詞(言語)の意味を理解することはない。しかし、母親の「声の繰り返し」と「心地よいリズムやイントネーション」を感じて、新生児は眠りにつく。


映像翻訳者 mizuki

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