ラストシーン

【第9作(23分)】


この映画は2017年、日本とドイツの国際映画祭で上映されました。中学生の男女の友情を、女子生徒の家庭環境を軸に描いたものでした。

恋愛感情がちょっぴり入っていたり、反社会的な悪さをしたがったり、イキったり、意地を張ったり。誰もが経験したと思われる心の動きですが、女子生徒の家庭には特別な事情がありました。


そんな中で印象的だったのは、最後の「車窓の風景と音楽」だけのシーンです。わたし自身が関西国際空港へ向かうときと重なりました。南に行くにつれ海が見えるようになり、最後には海を渡ります。心は高鳴り、映画のような音楽が流れていました。


わたしは2年間ニュージーランドで生活し、帰国後約8年間、ニュージーランドと日本を往復しました。プライベートと仕事で大きなものを抱えて、何度も飛びました。喜びと同じくらい、悲しみも抱えていました。その覚悟が映画のラストシーンと重なったのです。


こういう時、わたしは次のように表現します。


The last scene in the film is the reflection of my past years when I was a frequent flyer between New Zealand and Japan.


The last scene in the film reminds me of the time when I was frequently flying between New Zealand and Japan.


この2文は同じ内容です。特に下線部を見てみてください。


名詞表現? 動詞表現?

複数形? 単数形?


そんな違いを感じて、心の中でイメージ(情景)が生まれたら英文を理解できたと言えます。

翻訳は英文和訳・和文英訳のようにことばを置き換えるのでなく、イメージ(情景)を描きます。わたしは2つの言語で「イメージが(情景)が同じになる」ことを目指しています。



映像翻訳者 mizuki

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