Tycoon and Typhoon

英語圏で、当たり前のように使われている日本語があります。輸入語です。


有名なのは sake, sushi, karaoke などですね。tsunami もよく耳にします。"a tsunami warning" と聞けば、みんな注意を向けるでしょう。


anime, sudoku, emoji などは、比較的新しいと思います。テレビやラジオ、インターネットで初めて聞いたとき、本当に驚きました。


わたしがニュージーランドで生活していて、印象的だった輸入語は……


Tofu and Dofu

スーパーや朝市で "Tofu" のはずなのに "Dofu" と書いてあるんです。「間違いじゃないの?」と思っていました。

でもある日 "Tofu" が売られているではありませんか! 聞いてみると「Tofu は日本産で、Dofu は中国産よ」と返ってきました。へぇ、知らんかった。


Nashi and Fuji

言うまでもなく、"Nashi" は pear(洋梨)と区別するためで、"Fuji" はリンゴの種類です。果物だけでなく、呼び名そのものが輸入されているなんて、とても嬉しかったです。


そんな輸入語のうち、綴りまで英語化したものがあります! 

Tycoon をご存知ですか? これは「大君 "Taikun (great lord) " 」を語源とし、19世紀半ばに輸入されました (ref: Oxford Lexico) 。そもそもは「徳川将軍」の意味ですね。英語では


business tycoon

real estate tycoon

oil tycoon


というように使います。「実業界・財界などで成功した人(富豪)」です。


さて…… 何か似た単語がありますね。Typhoon です。これは「ギリシア語 tuphōn を語源とする、アラビア語 ṭūfān がポルトガル語に入って、中国語 "tai-fung" と掛け合わされ」ました (ref: Oxford Lexico) 。

けれどヨーロッパに「台風」はないので、わたしはこの説明に違和感を感じます。日本語の「台風」そのものが、中国語「大風 "tai-fung" 」を語源としているので、英語でも輸入元は「中国語(と日本語)」ではないのかしら?


Tycoon and Typhoon は共に2音節で、後半にアクセントが来るのが特徴です。


映像翻訳者 mizuki

ネイティブも読みやすい! 英語字幕をお届けします Translation and Subtitling Made Easy ことばの力 あなたと世界の心をつなぐ